2025/06/25 13:50

セイロンティーとは? 香り高き紅茶のルーツを


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世界中を魅了する紅茶の名産地、スリランカ


誰もが飲んだ経験があると言っても過言ではない「セイロンティー」。紅茶好きなら一度は目にしたことがあるでしょう。それは単なる紅茶の一種ではなく、「紅茶文化の王道」とも呼べる存在です。


スリランカ(旧セイロン)で育まれたこの紅茶は、爽やかさ、芳醇さ、そして透明感のある味わいで、150年以上にわたり世界中のティーラバーを魅了し続けてきました。


では、このセイロンティーとは一体どんなお茶なのでしょう? その始まりは? どんな地域で育ち、どんな人々が関わっているのでしょうか?


この記事では、セイロンティーの起源や産地別の特徴、国際的な人気の理由、文化的背景、そして私たちの暮らしとの関わりまで──香り高い一杯に詰まったストーリーをひも解いていきます。



紅茶大国スリランカ、その歴史に刻まれた転換点


セイロンティーの歴史は、19世紀までさかのぼります。もともとセイロン(現在のスリランカ)はコーヒーの栽培で知られていましたが、1869年にコーヒーさび病という疫病が蔓延し、コーヒー産業は壊滅的な打撃を受けたそうです。


そこで登場したのが、スコットランド出身のプランター、ジェームズ・テイラーです。彼はスリランカの気候や土壌が紅茶栽培に適していることを見抜き、最初の紅茶農園をヌワラエリヤに開拓しました。テイラーは試行錯誤を重ねながら加工技術を確立し、1873年には最初のセイロンティーがロンドンの紅茶オークションで取引されることになります。これがセイロンティーの始まりです。


その後、イギリス植民地の支援のもとプランテーションは急速に拡大し、スリランカはアッサム、ダージリンに並ぶ紅茶三大産地の1つとして世界的に知られるようになりました。20世紀に入る頃には、現在のスリランカは世界有数の紅茶輸出国として知られるようになります。


気候が生み出す風味の違い──産地別セイロンティーの魅力


セイロンティーの大きな魅力は、その多様性にあります。小さな島国とはいえスリランカの紅茶は、産地ごとに風味が大きく異なります。これは標高・雨量・気温・土壌が地域によって多様だからこそ。セイロンティーを理解するには、この地理的多様性が鍵といえます。


以下の表で代表的な6つの産地と特徴をご紹介します。



これらの産地はそれぞれ標高や気温、雨量が異なり、それが茶葉の風味に直接影響を与えているそう。

ちなみに、Greenfield farmで作られる紅茶の産地はウバとなります。



セイロンティーが世界中で愛される理由


単なる「味」や「香り」の良さにとどまらず、セイロンティーは次のような価値を兼ね備えています。


  • 完全手摘み収穫:スリランカの紅茶は、今なおほとんどが女性の手によって一芯二葉を丁寧に摘まれます。

  • 高い品質管理:オークション制度により品質の格付けが厳しく、世界市場での信頼が厚い。

  • オーガニックやフェアトレードの推進:環境・労働の両面でサステナブルな取り組みが進行中。

  • 多様なレシピに対応:チャイやミルクティーからアイスティー、スパイスティーまで応用力が抜群。


紅茶文化が根づくイギリス・ロシア・中東・日本などでは、セイロンティーはギフトとしての高級品から日常に飲む手頃なお茶まで、幅広い層に浸透しています。



カルチャーとしてのセイロンティー:紅茶とともに生きる


スリランカでは、紅茶はただの飲み物や嗜好品ではなく、カルチャーの一部です。朝の一杯や午後のティーブレイクに飲まれたり、来客時のおもてなしや大切な人へのギフトとして使われたり、儀礼に用いられたり──セイロンティーは人々の暮らしに密接に寄り添っています。


また、「生活と誇り」の象徴としても知られています。茶畑で働く女性たちは、家族の収入源であるだけでなく、子どもたちの教育を支える存在です。例えばgreenfield farmでは、収益の一部を地域の学校運営や女性支援プログラムに充てており、「紅茶を買うこと」が地域社会への支援につながっているのです。



もっと楽しむためのセイロンティー活用術



紅茶は入れ方ひとつで味が変わります。
セイロンティーの魅力を最大限に引き出すためのポイントを以下にまとめました。

ティーポットでじっくり蒸らす:できればポットで3〜5分。茶葉の種類で調整を。
ストレート向けの茶葉:ウバやヌワラエリヤなど、香りを楽しむ品種はまずそのまま飲むのがおすすめ!
ミルクティーに最適な茶葉:ディンブラやルフナなど、コクがある茶葉はミルクと好相性です。
スパイスと合わせる:シナモン・カルダモン・グローブなどを加えると、トロピカルなアレンジになります。

紅茶の美味しい飲み方は、次の機会にご紹介しますね。

一杯の紅茶から広がるストーリー


セイロンティーは、気候と風土、人の手と想いが織りなす芸術品と言っても過言ではありません。


その一杯には、19世紀の歴史と、今を生きる人々の暮らしが宿っています。greenfield farmでは、スリランカの自然と人々の力によって育まれた紅茶を、農園から日本の食卓へと丁寧に届けています。


香りを感じ、紅茶のストーリーを感じながら味わう。その一杯が、きっとあなたの日常をやさしく彩ってくれるかもしれません。

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